在宅介護の孤立がとうとうやってきた-2

介護日記

<前回から続く>

あきらめず信号を出す:

車で1時間ほど離れた奥さんの実家に住む義姉が来た。

たまに足の悪い義母も連れて様子を見に来てくれるのだが、

今回の訪問の目的はもうひとつあって、私の遠まわしのヘルプサインに気づいてくれて、月1.2回でも週末妻(妹)を預かろうか?というありがたい提案だった。

 

気がかりはそこそこの距離の往復による妻の体調変化だが、正直1日2日でも家事介護から解放してもらえるのはとても助かる。

彼女(奥さん)も内心は自宅で誰にも気兼ねなくいたいと思うのがわかるけれど、僕を思ってか素直に行くと言ってくれた。

近親者なればこその助け。兄弟のいない自分にはうらやましくもある。

 

とりあえず、1ヶ月後試しに2泊することになった。

ありがたい。

 

無駄だとあきらめつつも信号を発することの大事を感じた。

 

孤独、孤立をテーマにしていることと矛盾するようだけれど、家事介護を忘れて「安心して」ひとりにしてもらえると気力体力復活の機会をもらえる。

弱者側のプライバシーに配慮を:

「ありがたい」と義姉を見送ったあと、どっと疲れに襲われる。

 

変な言い方になるが、義姉といえども他者が家庭に入り込んでくることの、

なんというか自分の家庭が自分の巣でなくなる感覚、

自分の力だけで二人の暮らしを維持できなくなってきていることへの無力感。

 

そして、助けの申し出にあたってちくちく聞かれた我が家の経済状況。

「年金はいくらもらってるの?」「今、月いくらぐらい稼いでいるの?」

 

長引く不況で本業は恥ずかしくて言えないほど売り上げが落ち込んでいた。

ろくな手を打てない自分が悪いのだが、今一番聞かれたくないことでもあった。

言い訳とはいえ、家事介護の負担と本業の不調も重なって半ば自暴自棄になっていた。

 

助けを求めるほど孤立していく矛盾:

そして義姉とのこのやりとりの情景は見覚えのあるものでもあった。

 

以前、福祉や社会運動にも熱心な知人が、困っているなら相談にのるよ、と言ってくれた。

制度にもくわしいし、その道の知り合いも多い。

ありがたくそれを受けた僕は、しかしそのあと奥さんの状況からはじまり、もらっている補助金、僕の稼ぎにいたるまでこと細かく聞き出されることになった。

現状を知るということは、助けるにあたって大切なことである。

あたりまえだ。

でも、ここまでさらけださなければならないのかと、ものすごく恥ずかしかった。

そしてその情報はその人の周りの福祉系の知人たち(僕も知っている)に共有されるのかと思うと悲しかった。

行動力のある人だったので、その後どんどん加速し転院や転居の話までなってしまったところで、あまりに性急すぎるとストップをかけたら、結局それっきりになってしまった。

 

サポートしてくれるはずの制度の壁:

僕がある眼の病気で入院手術になってしまったときもそうだった。

 

大きな病院だったので病院独自にも医療費助成制度があり、ありがたく利用させてもらおうと思った。

ソーシャルワーカーの部屋に通され、やはりねほりはほり聞かれた。

いくつもの書類を書き、家族すべての通帳や役所から発行してもらう書類なども要求された。

役所にも行き、面接のためだけに病院にも何度も通い、やっと助成してもらえることになった。

 

疲れ果てた。

 

細かいことまであげると、そういった悲しいやりとりは役所等でも何度も経験している。

まだ経験はないが生活保護申請もかなりつらいと聞く。

 

弱者にプライバシーはないのか:

弱者にプライバシーはないのだろうか?

すべてさらけださないと助けを呼べないのだろうか?

時折ニュースになる不正をする者はいったい全体の何パーセントいるというのだ。

なんのためのマイナンバーなんだろう。

 

「あなたたちのために時間や浄財を使うのだから当たり前でしょう」という正論の前に、

大げさかもしれないけれど人としての尊厳みたいなところをもう少し汲み取ってもらえる形ってできないものなのだろうか?

 

結局、知人とはその後会っても奥さんの話はもうしないし、僕の眼の病院のその制度も毎年更新手続きしなければならないそうだが、もうしていない。

向こうは団体で来るが、それぞれに僕は個別に孤独に一人で向き合わなければならない。

 

もういい。

こうして孤立していくんだな。

 

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*今日のごはん:

朝食:きつねうどん、大根の寒麹漬け

昼食:差し入れのお弁当(アスパラ肉巻、ブロッコリーチーズ焼き、卵焼き、おにぎり)

夕食:鶏だんご鍋、昼食の残り

 

お昼は義姉が作ってきてくれたお弁当をみんな(3人)で食べる。

よそんちの甘い卵焼きがなぜかうれしい。

 

食べ切れなかったので夕食にも残りを出し、自分では鶏だんご鍋を作る。

ピェンロー鍋を作りたかったが白菜が高すぎるので白菜なしの鍋。

出汁をとったしいたけを刻み、鶏ひき肉とねぎとを混ぜた手作りだんご。

それと隠れメインの春雨とがんもどきと春菊で。

出汁にごま油と塩を入れただけでなんでこんなにおいしいスープになるのだろう。

 

一人むなしく自画自賛。

 

ごちそうさまでした。

 

 

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